前の年代:
紀元前3000年〜紀元前2900年

紀元前2900年 〜 紀元前2800年

前2900頃

ウルがシュメールで最も栄えた都市になった。

前2900年-前2750年頃

大洪水がおこる。この大洪水において、最も可能性が高いのは2807年の小惑星衝突ではないかと推定。 この災害は、イラクにおけるキシュの街(遺跡)の発掘調査で、実際に大洪水があったとおもわれる痕跡が発見された事によるもの。 伝承については、一箇所ではっせいしたものか、同時多発的に発生したものか、今のところ不明。

バビロニアのギルガメシュ叙事詩によれば、 Sin-liqe-unninnによる He who saw the deep版(タブレット11)の終わりのほうに、大洪水の参照がある。 不死を追い求めていたギルガメシュ王は、一種の地上の楽園・ディルムンで、ウトナピシュティム(シュメール神話のジウスドラをアッカド語に直訳した名前)に出会う。 ウトナピシュティムは、大洪水によってすべての生命を破壊するという神の計画について、エア神が彼に警告し、船を作って彼の家族や友人、財産や家畜を守るよう指示したことを語る。 大洪水の後、神はみずからの行動を悔やみ、ウトナピシュティムに不死を与える。

バビロニアの『アトラハシス叙事詩』(紀元前1700年までに成立)では、人類の人口過剰が大洪水の原因であるとされている。 1,200年間の繁栄の後、人口増加によって齎された騒音と喧騒のためにエンリル神の睡眠が妨げられるようになった。 エンリル神は当面の解決策として、疫病、飢饉、塩害など人類の数を減らすための全ての手段を講じる神々の集会を援助して回った。 これらの解決策が採られてから1,200年後、人口は元の状態に戻った。 このため神々が洪水を引き起こすという最終的な解決策を取る事を決定した時、この解決策に道義的な問題を感じていたエンキ神は洪水計画のことをアトラハシスに伝え、彼は神託に基づく寸法通りに生き残るための船を建造した。 そして他の神がこのような手段に出るのを予防するため、エンキ神は結婚しない女性、不妊、流産、そして幼児死亡など社会現象の形で新しい解決策を作り出し、人口増加が制御不能になるのを防止した。

インド/ブラーフマナの神話を伝える『シャタパタ・ブラーフマナ』 (1・8・1・1-10) では以下の内容で語られている。 あるときマヌが水を使っていると、手の中に小さな魚が飛び込んで来て「数年後に大洪水で人類が滅亡するが、私を飼ってくれたら洪水の時にあなたを助ける」と話した。 マヌはその魚を飼い始めたが、魚がじきに大きくなったので海に放してやった。 数年後に大洪水が起こり、マヌが魚の残した助言に従って船に乗り込むと、魚が近付いてきた。 魚の角に船を繋ぐと、魚は北のヒマーラヤの高い場所まで船を運んだ。 マヌが船を下りた場所は「マヌの降り場」「マヌの降りた所」と呼ばれている。このようにしてマヌは、全生物を滅ぼす大災害を生き延びることができたが、地上で唯一の人間となってしまった。 マヌは子孫を得るべく苦行を重ね、水に供物を捧げる祭祀を続けた。 1年後、水の中から一人の女性が現れた。ミトラ神とヴァルナ神が彼女を見初めたが、彼女は「自分はマヌの娘でありマヌの元へ行く」と言って去った。 その後彼女はマヌに会い、「あなたが水に捧げた供物から生まれた」と話した。 マヌと女性が始祖となってふたたび地上に人々があふれたという。

カルデア/神官ベロッソスの記述によれば、クロノス神がクシストロスに洪水の襲来を警告し、歴史を記録し、船を造るよう命じた。 船はクシストロスの親類、友人、すべての動物を一つがいずつ乗せるために5スタディア×2スタディアの大きさに作られた。 洪水が起こって水位が上昇し、船に乗り込んだ生き物を残して全てが殺戮された。 水が引いた後クシストロスが船から鳥を放すと、全て戻ってきた。 二度目に鳥を放すと足に泥を付けて戻ってきた。三度目に放すと鳥は戻ってこなかった。 人々は船を離れ、神に供物を捧げた。クシストロスと妻、娘と、航海士は神の元へ運ばれ、神と共に暮らした。

前2900-2600年頃

1932年に発掘され現在シカゴ大学で所蔵されている像が作られ、エシュヌンナに奉納された。

前2900-2400年頃

シュメール人のピクトグラムから表音文字ができた。

紀元前2900-2334年頃

メソポタミアの早期王朝の間で戦争が続いた。

前2897年

ベトナムで雄王で文郎国を建国した。

前2890年

エジプト第2王朝が起こる。 エジプトでファラオのカアが死去し、エジプト第1王朝が終了。 エジプト第2王朝が始まった。ヘテプセケメイが統治を開始。 首都は第1王朝におなじくメンフィスのまま。

前2886年頃

メトセラ187歳の時、息子メレクが生まれる。

前2874年頃

エジプトで1年を30日ずつの10ヶ月と5日の閏日とする365日制の暦ができた。

前2857年

ウンジがキシュ第3王朝を打ち倒す。

前2856年

ウンジがアクシャク王朝を建国する。

前2852年

中国で三皇五帝時代が始まった。

前2832年

カリフォルニア州にあるブリスルコーンパインの老木メトシェラが生まれた。

前2830年

アダム、930歳において死去。

前2826年

アクシャク王朝にて王ウンジが死去。 ウンダルルが王を継承した。

前2820年

アクシャク王朝にて王ウンダルルが死去。 ウルルが王を継承した。

前2814年

アクシャク王朝にて王ウルルが死去。 プズル・サニラーが王を継承した。

前2807年頃

5月10日頃、日食が起こる。 10月7日、アフリカ大陸と南極大陸の間に小惑星または彗星が落下したということが、洪水伝説の分析から推定される。 洪水により、世界崩壊が起こった事が推定される。 主にアフリカ大陸、マダガスカル、南アメリカ大陸東部、インド洋沿岸地帯で甚大な被害。 いくつかの大洪水伝説を残すポイントのひとつ。 先に挙げた大洪水が発生したと考えられる時期としては、この年が最も可能性が高い。

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紀元前2800年〜紀元前2700年